人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
助成金を活用した研修のご提供にあたり、貴社と弊所の間であらかじめ揃えておきたい共通認識をまとめました。特に次の3点は、案件の入口(営業・契約段階)から関わるため、最初にご確認ください。
受講企業の管轄労働局へ、研修初日から起算して1ヶ月前までに計画届を提出する必要があります。eラーニングはアカウント発行日(視聴開始日)=訓練開始日として扱われるため、アカウント発行のタイミングもここから逆算して設計します。
受講する研修内容が、受講者の職務に直接関連していることが審査の中心です。関連性が説明できない組み合わせ(例:経理職にプログラミング研修)は不受理となる可能性があります。令和8年8月3日の改正で、マナー・リテラシー・概念理解にとどまる訓練は助成対象外であることが明確化されました(詳細は「研修設計」タブ)。
研修の内容を客観的に示すパンフレットと、いつ・誰が・何を・いくらで受講するかを確定させる受講契約書を、計画届に添付します。両書類とカリキュラム・受講者の職務との整合が審査されます。
OVERVIEW
1案件は次の7ステップで進みます。バッジは主担当です。
※ 助成額は「賃金助成(訓練時間に対する助成)」と「経費助成(研修費用に対する助成)」の2本立てで、企業規模や実施形態により上限が変わります。個別案件の試算は弊所で行いますので、お気軽にご相談ください。
JOB RELEVANCE
訓練が助成対象となるための基本要件です。カリキュラム設計と受講者の選定の両面に関わります。
基本要件:対象労働者の職務に直接関連する訓練であること。カリキュラム・パンフレット・受講者の職務内容(労働条件通知書等)の間で、一貫した説明が通ることが必要です。
事業展開に必要な専門的知識・技能を習得する訓練。
自社のDX推進に関連する訓練。デジタイゼーション(ツールのデジタル化)〜デジタライゼーション(プロセスのデジタル化)〜DXそのもの、いずれの階層も対象になり得ます。
※ 自社のDX化が対象。他社のDX化支援を行うための訓練は対象外です。
時間要件:対象外の時間(移動時間等)を除いた実訓練時間が10時間以上であること。eラーニングは標準学習時間が10時間以上として設定され、LMS等で進捗管理ができること。動画の尺と標準学習時間が乖離しすぎると労働局から指摘を受ける可能性があるため、動画時間ベースで10時間以上の制作を強くお勧めします。
| 類型 | 例 |
|---|---|
| 初歩的操作の訓練 | 文章・数値の入力、書式・レイアウト変更のみに終始する内容 |
| 既存ツールの操作習得のみ | 登録方法・設定方法・操作方法等の説明に終始する内容(コンサルタントによる指導・操作説明を含む) |
| 基礎的スキル | 接遇・マナー講習(マナー・リテラシー・概念理解にとどまる内容は、DX・GX関連でも対象外 — 下記の改正ポイント参照) |
| 職務に直接関連しない汎用的内容 | ロジカルシンキング研修、普通自動車運転免許の講習など |
| 趣味・教養目的 | 日常会話レベルの語学講習 |
| 通常業務とみなされる内容 | 経営方針説明会、社内規則の説明、自社で用いる機器・端末の操作説明、自社製品・サービスの説明 |
※ 上記がカリキュラムの一部に含まれる場合、その時間は助成対象外となり、対象外の時間を除いて10時間以上を満たす必要があります。
※ 商品化や社内ツール制作をアウトプットの前提とするカリキュラムも対象外です(ペルソナを立てたロールプレイ等、成果物が商品化に直結しない形は対象になり得ます)。
令和8年8月3日の改正で、DX化・GX化に関する訓練のうち、以下の実施目的のものは助成対象外となることが明確化されました。
助成対象外とされる実施目的:
改正後の審査を通すために、貴社のカリキュラムと受講者の組み合わせを以下の3点で確認してください。
生成AIを活用して商品提案書の構成案作成・文章生成・修正方法を学ぶ、営業担当者向けの訓練
営業担当者の具体的な業務に直結しており、そのまま活用可能な内容であるため
生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練
特定の業務への具体的適用を伴わない汎用的内容であるため
DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練
脱炭素の基本理念や国際情勢、GX化を進める上で企業に求められる対応を学ぶ訓練
いずれも DX化・GX化を進める上での共通知識の習得にとどまり、具体的作業として業務に直接適用される内容ではないため助成対象外。「概要」「考え方」「基本理念」で終わるカリキュラムは、業務に直接適用できる実務内容まで踏み込む必要があります。
例:自社のエネルギー使用量データの収集方法、CO2排出量算定ルールに基づく計算手順を学ぶ訓練
CO2排出量算定業務を担当する者が受講する場合
業務プロセスに直接組み込まれる実務能力を習得できるため
人事や営業に従事する者が受講する場合
同じカリキュラムでも、受講者の職務によって対象/対象外が分かれます。受講者名簿の段階で職務との紐付けを確認してください。
※ 令和8年8月3日改正に関する厚生労働省の公表資料(リーフレット)に基づく整理です。
近時の審査傾向:労働局は職務関連性を重点的に確認する傾向にあり、抽象的な内容・初歩的な内容にとどまるカリキュラムは特に厳しく見られます。「誰が受講しても同じ説明」ではなく、受講者の職務ごとに関連性を説明できる状態を計画段階で作っておくことが重要です。
DOCUMENT 01 — パンフレット
計画届には、OFF-JTの実施内容等を確認するための書類としてパンフレットを添付します。研修の内容を客観的に示す「抽象」側の資料です。
近時、労働局は研修実施主体が本来研修事業を行っている会社かどうかを、企業HPで確認する動きがあります。あわせて以下の整備をお願いしています。
教育訓練機関としての要件:計画提出日までに、定款・登記簿等の事業目的に「教育訓練事業」が記載されている法人であることが必要です。未記載の場合は事前の変更登記をお願いします。
DOCUMENT 02 — 受講契約書
受講企業との合意がとれ次第、研修実施の具体的内容を契約書で書面化します。「いつ・誰が・何を・いくらで」を確定させる「具体」側の資料で、こちらも計画届に添付します。
| 対面・同時双方向型(ZOOM等) | eラーニング |
|---|---|
|
・研修の実施日 ・訓練日ごとの実施時間帯 ・訓練日ごとの研修内容 ・訓練日ごとの実施場所 ・実施方法 ・対象者 ・一人当たりの経費/全体の経費 |
・契約期間(利用開始日〜利用終了日) ・標準学習時間 ・LMSによる進捗管理機能を有している旨 ・対象者(利用者) ・一人当たりの経費/全体の経費 |
※ 対面・同時双方向型は「いつ・どこで・何時から何時まで・どのカリキュラムを・誰が受講するか」を契約書等で事前に特定し、その予定どおりに実施する必要があります。実地調査等で計画どおりの実施が確認できない場合、不受理となる可能性があります。
※ 労働局に受理された契約書の参考例(対面・eラーニング)を弊所で保有しています。ドラフト段階でご相談ください。
助成金の要件:訓練経費は、支給申請までに受講企業(申請事業主)が全額負担していることが必要です。貴社から受講企業への返金や実質的な負担軽減があると、支給対象経費に該当しなくなります。
直接の返金だけでなく、以下も返金と同視されます。
※ 計画時に受講企業が提出する申立書には、契約書に返金規定がないかを問う項目があります。契約書のひな形に返金条項が残っていないか、必ずご確認ください。
AFTER PLANNING
計画が受理された後も、実施が計画どおりであることが支給の条件です。
DEADLINES
いずれも受講企業の管轄労働局に対する期限です。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 計画届の提出 | 研修初日の1ヶ月前まで eラーニングはアカウント発行日(視聴開始日)=訓練開始日 |
| 変更届の提出 | 変更前・変更後いずれか早い訓練日の前日まで 病気・天災等やむを得ない理由の場合は実施日の翌日から7日以内 |
| 支給申請 | 訓練終了日の翌日から2ヶ月以内 eラーニングは原則、視聴可能期限の翌日から起算。全員の進捗100%到達後は期限前でも申請可 |
| 支給までの目安 | 申請から6ヶ月程度 申請内容に問題がない場合の現状の目安 |
職務関連性の説明の組み立て、パンフレット・受講契約書のドラフト確認、助成額の試算は、計画届の提出前であれば軌道修正が可能です。案件が具体化した段階(受講企業・人数・日程の目処が立った段階)で、お早めに弊所までご連絡ください。
研修初日の1ヶ月前が計画届の提出期限のため、遅くとも研修初日の2ヶ月前までにご相談いただけますと、書類整備に余裕をもって対応できます。